2011/03/18

シルヴァカーヌ修道院

セナンクの次に訪ねたのはシルヴァカーヌ修道院。プロヴァンスの三姉妹の中では末っ子にあたります。



Abbaye de Silvacane, 1175-1230(教会堂)/1210-1300(修道院諸施設および回廊)



祭壇のある側。セナンクではこの面が半円形になっていましたが、シルヴァカーヌではあらゆる装飾を排すというシトー会の厳格主義を徹底して守ったため、(つまり曲線も装飾とみなし)直線的なデザインになったそうです。



教会堂祭壇。


ここでも他のシトー会修道院と同じく、美しい石積みが(おそらく)当時のまま残っています。

こんな美しい修道院ですが、シトー会がすっかり衰退した後は破壊の危機にさらされました。18世紀末、この修道院は哀れマルセイユ運河建設のための石材になるところだったのです。しかし運河の設計技師が建物や環境の美しさを力説したため、破壊をまぬがれたそうです。シトー会士たちが丹精込めてつくったその優美さが、聖堂を護ったのでした。いい話だ。



入り口側を見る。


教会堂だけ見ても、セナンクとはだいぶ印象が違います。一緒に行った友達曰く、「やんちゃな末っ子」。…なんとなくわかる。こんな風に印象の違う三姉妹にそれぞれキャラクターを充ててみるのも、三姉妹を見るひとつの楽しみかと思います(笑)

三姉妹それぞれにキャラクターがあり印象も違うのですが、シトー会という「親」が同じなだけに、共通している部分があります。例えば、シトー会の建築には部屋の配置や空間の構成に決まった「型」というものがあったらしく、三姉妹はすべてその型に忠実に建てられているのです。

具体的には、各部屋は以下のように配置されています。



祭壇は、キリスト教の慣例に従って東を向きます。(セナンクだけは北側を向く)



祭壇を右手に、北側を向く。
写真奥に見えている出入り口から下へ降りれば、回廊に出ることができます。



教会堂から降りると、回廊の東側の辺にあたります。
東側には集会室や寝室があります。右に見える入り口がそこに通じています。



北側。北側には食堂があります。



食堂。(ル・トロネには残っていません)



回廊西側。
敷地に勾配がある場合はこのように勾配にそって段差が設けらます。



そして南側の辺。奥に見える階段を上って右の扉を入れば教会堂です。



回廊の東側にある、修道士達の寝室。


このような各部屋の配置構成は、方位の違いはあるものの、3つの修道院すべてに共通しています。にもかかわらず、その印象には驚くほどの違いがある。というか、だからこそ3つそれぞれの違いが際立って感じられる。音楽で言えば、同じ曲でも指揮者が違えば全く違って聞こえるのに似ています。

どのくらい違うかというと…この後に載せるル・トロネ修道院とぜひ比べてみてくださいね。

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