2011/01/23

カイロ夕景・夜景


見知らぬ街に旅行に行ったら、やっぱり高いところに登ってその街を眺めたいものです。高いところからその街をみると、その街のいろんなストーリーが見えてくるようで、好きだからです。ここカイロでもしっかり登ってきました。



これはイスラーム地区と呼ばれる、カイロの下町の景色。街の中から塔がいくつも伸びているのが見えます。これらはイスラーム寺院にある、礼拝時刻を呼びかけて知らせるためのミナレットと呼ばれる塔。


この景色も、そのミナレットのひとつからの眺めです。






こちらはカイロ中心部にあるカイロタワーの上から。新市街の夜景。



「君ね、夜景ほど素晴らしいものはないんだよ。
無数に瞬いているそれぞれひとつひとつの光に対して
ストーリーがある。出来事がついている。
赤い光のところで
おばあちゃんが孫のために料理をつくっているかもしれない。
白い光のところでは
塾があって子供が集まって勉強をしているのかもしれない。
駐車場の光。
走っている車の光も全部色・スピードが違う。
ものすごい情報量なんだ。美しいでしょ。
何で美しいかを感じる理由があって、
人は光自体を美しいと感じているんじゃないんだ、
光にそれぞれのストーリーがあって
その後ろにひとつひとつ人がいるんだと懐かしさを感じて、
そこに美しいという感情が芽生えるんだよ。」
照明家・角舘政英

カイロの夜景はこれまで見た「美しい」夜景とはだいぶ感じが違っていました。
川沿いに立ち並ぶホテルや高層ビル。道路を走る無数の車。騒がしいクラクションの音。明るいのは高層ビルが建っている場所と車の走る中心部だけで、それ以外の場所の光は弱く暗い。
ピラミッドを造った人たちが見たらどう思うだろう…とか思ったりした。

この夜景もまた、カイロの持ついくつものストーリーを語っているような気がしました。

2011/01/22

ピラミッド!


そんなこんなでやってきましたピラミッド。
来る前は当然砂漠を歩いていくのだとイメージしていたのですが、実は街の目の前。バスを降りてちょっと歩くと着きます。


見上げる。


ピラミッドの足下から。街はすぐ近く。



驚いたのは石のひとつひとつがとても大きいこと。大きいもので高さは肩近くまであって幅は1メートルくらい。それらを遠く離れた土地からナイル川の流れを使って船で運んできて、さらに川岸からここまでひいて運んできたなんて。それも、ものすごい数。そして積み上げる。作るのにいったいどれだけのエネルギーを使ったんだという、膨大なエネルギーの結晶です。(現代の技術を用いても、総工費1250億円、工期5年、最盛期の従業者人数3500人が必要らしいです。)


ピラミッドの王様、クフ王のピラミッド。


3つのピラミッドが連なっています。
右からクフ王、カフラー王、メンカウラー王のピラミッド。


そしてご存じスフィンクス。

現在その目線の先にあるのは、、、ケンタッキーフライドチキンです(笑)
この事実、トリビアで97へぇだったらしいですねwその窓からスフィンクスとピラミッドを一望できるという、世界でも有数のロケーション。にてランチw

困ったのは、ピラミッドの周りにはたくさんのラクダひきがいるのだけど、これがラクダに乗れ乗れととてもしつこかったこと。乗らん!といってもついてくるし…ピラミッドに集中させてくれ…。乗ったら乗ったでラクダから自力では降りられないのをいいことに、高いお金をとろうとするそうですので、行くときは心して行ってください。そんな感じで、ギザのピラミッドは、観光地だなーという印象が強く残りました。



それでも帰り際、またいつ会えるか分からないピラミッドに、名残惜しい気持ちを覚えます。ピラミッドに限らず、人生で数度も会えるかわからないものと別れる時は、少し思い切りがいります。

今では剥がれ落ちてしまっていますが、建てられた当初はピラミッド全体が真っ白に塗られていて、頂上の部分は金で彩られていた、とどこかで聞いた記憶があります。白と金のぴかぴかのピラミッド…どんな感じでしょうか。

4500年前に想像を巡らせながら、ピラミッドをあとにしました。

2011/01/20

カイロの車窓から

エジプト。ピラミッドに向かうバスの窓から。


アテネからエジプトの首都・カイロへ。ついに念願のエジプトにやってきました。

エジプトと言えばやっぱり見たいのはピラミッド!いざ、ギザ!


ですが観光するにしても、エジプトは今まで旅行してきたヨーロッパとはだいぶ勝手が違う。
ちょっと大変なことのひとつが交通手段です。

タクシーを使えば早いのですが、普通に乗れば観光客価格でぼったくられるから、そこは運転手と交渉しなくてはいけない。

でもそういう交渉はちょっと苦手。。(弱気)

何台かのタクシーに聞いたのですが、みんなガイドブックに書いてある相場よりも高い値段を言ってきて譲りません…交渉が下手だったのか値上がりしたのか。


ということで、簡単で確実そうなバスを使うことにしました。バスなら30円もしないで行けるしね。


でもこれが結構大変だったのです。


まずバス停がどこかよくわかりません。
歩いて探して、人に聞いたら「ここをバスが通るから。」と教えてくれたのですが、何もない路上じゃん。。。バス停ないし。。

で、ここで合図してバスを止めなければならないのですが、バスの番号もアラビア語で書いてあるので、それを解読しながら通り過ぎようとするバスをひき止めなければなりません。だから常に目をこらします。

あと時刻表なんてものも存在しないから、ソワソワしながら待たなくちゃなりません。



来た!…あれか!?あー違う。。



お、あれだろ!?あ、違った…。



!!今度こそ…!あぁー…



なんてことを繰り返しながら待つこと1時間。。。もうタクシーで行こうかとあきらめかけたその時!!


来た!あれだー♪


ふー。そんなわけでやっと乗れたバスの窓からなのです。
カイロからピラミッドのあるギザまでは30分と少し。















まだかな。















そろそろ…?







あ!


2011/01/19

時をこえて

こちら、ベルリンのノイエス・ムゼウム内の柱。1855年建設。


こちら、昔行った東京丸の内の第一生命館の入り口。1933年に建てられました。


これはアテネのアクロポリスにあるエレクテイオン。建設は紀元前405年。

柱の上にあるクルクルっとした飾りが一緒です。これは紀元前に、ギリシャからそう遠くない場所で生まれたデザインの柱。生まれた地方の名をとってイオニア式って呼ばれています。柱はとても似ていても、これらの建物は建てられた時代も(もちろん場所も)決して同じではありません。最後のアテネの神殿とあと2つの建物の間には、建てられた時代にはなんと2000年以上!の隔たりがあるのです。


柱だけでなく、構成もなんだか似ているものがたくさん。↓

パルテノン神殿。紀元前432年。


ベルリンのアルテス・ムゼウム。1830年。新古典主義様式と呼ばれています。


同じくベルリンにあるタービン工場組み立てホール。1909年。
「鉄骨造建築を新古典主義様式の造形でまとめ、近代建築の出発点とされる記念碑的な作品。」

(年号とかが間違ってたらごめんなさい)

こんなふうに、いろいろな背景があったにせよ言い換えればこれら紀元前のギリシャで育ったデザイン、ある意味では2000年以上の時を生き、受け継がれてきているわけですよね。

これって、とてもすごいことのような気がします。

さらには時だけでなく場所さえも越えて、明治以後、東京で再現されたりなんかしてしまう。

授業などでやって頭では分かっていたのですが、実際にそれらの建物を目の前に立ってみると、「おぉー、まさにこれが、2000年以上の時をこえてきたわけだよなぁ…」と感動します。

はるか昔のギリシャの職人たちも、コツコツと石を切り出しながら、まさか今自分たちが作っているものが、遙か時を越えて見知らぬアジアの島国でも使われることになるなんて想像もしていなかったでしょうね。



アテネの街並み。遠くにアクロポリスの丘とエーゲ海が見える。

2000年という時間の大きさ。

…でもじゃあ今、自分たちの時代のもので、2000年後にも残りうるもの、受け継がれるものって、何かあるのかな…?

などと考えたベルリン&アテネでした。

2011/01/16

飛び越える旅

Happy New Year!!
旅行から帰って来ました。こんなに長い旅行は初めてで、いろんなことが少し心配だったのですが、特に大きな困ったこともなく(本当にささいなことならいくつかありましたが)無事帰ってくることができました。

この冬の旅は、いろんなものを飛び越える旅だったと思います。現代から古代ローマの時代、さらにさらに過去へ。北極圏から地中海、そして砂漠へ。2010年から2011年へ。23歳の自分から24歳の自分へ。

下に、この冬休みに見たものを載せました。とりあえず並べてみました(笑)
ずら〜っとたくさんありますが、もしよければ気長にみてやってください。

今週からまた授業が始まり、また設計課題もあったりしますが、この旅で見たもの・感じたことを生かしていければと思います。

今年もよろしくお願いします。


- Norway -


北極聖堂, Jan lnge Hoving, 1965, Tromsø


モルテンスルッドの教会, Jensen & Skodvin, 2001, Oslo


聖ハルヴァル教会, Lund & Slaatto, 1966, Oslo



ムンク美術館, Gunnar Fougner/Einar Myklebust, 1963, Oslo


芸術家の家, Gudolf Blakstad, Herman Munthe-Kaas, 1930, Oslo


Gyldendal House, Sverre Fehn, 1995-2007, Oslo


The National Museum, Sverre Fehn, 1997-2008, Oslo


オスロオペラハウス, Snøhetta, 2007, Oslo


- Berlin, Germany -

バウハウス博物館, W.Gropius, TAC, A.Cvijanovic, 1976-78


ベルリン・フィルハーモニー, Hans Scharoun, 1960-63


ベルリン大聖堂, J.Carl, O.Raschdorff, 1894-1905


アルテス・ムゼウム, Karl Friedrich Schinkel, 1822-30


ノイエス・ムゼウム, Friedrich August Stüler, 1855
renovated by David Chipperfield, 2009



旧ナショナルギャラリー, Friedrich August Stüler, J.H.Strack, 1862-76


フンボルト大学図書館, Grimm-Zentrum, 2009


ギャルリー・ラファイエット, Jean Nouvael, 1993-96


AEGタービン工場組立ホール, P. Behrens, K.Bernhard, 1908-09


AEG機械工場(ブルネン通り), Peter Behrens, 1908-12


レムケ邸, Ludwig Mies van der Rohe, 1932-33


虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑, Peter Eisenman, 2003-2005


新ナショナルギャラリー, Ludwig Mies van der Rohe, 1965-68


ノイエ・ヴァッヘ(現・戦争犠牲者慰霊堂), K.F.Schinkel, H.Tessenow, 1816-18/1931


ペルガモン博物館, A.Messel, L.Hoffmann, 1906/1909-30


- Athens, Greece -


古代アゴラとアクロポリス


ヘロデス・アッティコス劇場, 174頃


プロピライア, Mnesikles, BC437-433


アテナ・ニケ神殿, Kallikrates(?), BC427-424


パルテノン神殿, Pheidias, Iktinos, Kallikrates, BC447-432


エレクテイオン, BC421-405


アッタロスのストア, BC159-138(1950年代に復元)


ヘファイストス神殿, BC449-444


ディオニソス劇場, BC6世紀-ローマ時代


オリンピエイオン, BC6世紀-AD2世紀


パナティナイコ・スタジアム, BC331-ローマ時代(1895に復元)


- Egypt -


ガーマ・ムハンマド・アリ, 1857, Cairo


ガーマ・インナースィル・ムハンマド, 1335, Cairo


ガーマ・リファーイー, 20世紀, Cairo


ガーマ・スルタン・ハサン, 1356, Cairo


ガーマ・ムアイヤド・イッシェイフ, 1415, Cairo


アブシンベル大神殿, BC1250頃, Abu Simbel


アブシンベル小神殿, BC1250頃, Abu Simbel


イシス神殿, BC380-AD300頃, Aswan


ハトシェプスト女王葬祭殿, BC1490-1468頃, Luxor


カルナック神殿, BC2000-BC220頃, Luxor


ルクソール神殿, BC1370-BC1250頃, Luxor


クフ王のピラミッド, BC2550頃, Giza


カフラー王のピラミッド, BC2550頃, Giza


メンカウラー王のピラミッド, BC2550頃, Giza


赤のピラミッド, BC2600頃, Dahshur


階段ピラミッド, BC2650頃, Saqqara


黒砂漠, BC??-, Bahariyya


白砂漠, BC??-, Bahariyya


夜空, Bahariyya