フィンランド出身の建築家と言えば、アルヴァアアルト(1898-1976)。今自分が通っている大学がアアルト大学という名前のですが、大学の名前にもなってしまう程、フィンランドでは(もちろん日本でも!)有名な人物の一人です。
そのアアルトの建てた建築、自国フィンランドの中だけでも160件(!)あります。各地に点在するアアルト建築に時間をかけて会いに行くのも、フィンランド留学の楽しみのひとつなのです。
そんなわけで一日かけてアアルト設計の教会を見に行ってきました。ヘルシンキから電車で行くこと約3時間、教会のあるイマトラという町に着きます。
さらに駅からバスに揺られて行くこと30分…
シラカバ林の間から、その真っ白な外観が見えてきます。
この教会は、2週間前に行ったロヴァニエミの図書館の8年前に完成した、アアルト60歳の時の作品。
教会の中は三つの空間に分かれていて、必要に応じてその間を防音壁で仕切ることができるようになっています。
そして北側にある礼拝堂。
天井がうねうねと曲がりながら、3つの空間を構成しています。手で即興で描いたような自由な曲線はアアルトデザインの特徴のひとつと言われていますが、この教会の場合、音が壁や天井に反射して聞き手に均質に伝わるように考えられた形だとアアルトは言っています。
そしてそこに開けられる、形も深さも様々な窓達。その窓達から落ちてくる、様々な光。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhP505VyWk_blvfYsz7aSsZaLQceEJgyBEYwOZWG8OpFfjg21xn9plNldkvaYnRZRpUdBkraWrh1nEkILt7PkukgPa5-oWtv53KqIPgTxOUnpOiUT1AlRbma0EZxjKID1LKQRvaHYxhDsQx/s280/DSC_0188.JPG)
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この教会には、この教会に行かないと会えない、独特の光がありました。
そしてそれはとても美しいですが、その美しさはレイヴィスカの教会とは全く違う種類のものだと思いました。
以前、建築を音楽のアンサンブルに例えてみましたが、レイヴィスカの教会は太陽の光を主役にすることに心のどこかで全員が同意している。バイオリンコンチェルトのオーケストラとソリストみたいな関係ですね。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjuSJxywrxKiy8e4CZydPXDEEOlv8UgrRwSkr8m95Vg15yP5oWfSj_GC-UKdQIqiS-ie89veFvhpwavoB2s7sgRE5m1xNtXlBWjHkSOT3fdtIS2NNmsIFytuZq7X_or76SGwJbO_Xme1bRq/s400/DSC_0223.JPG)
↑レイヴィスカの教会。建築のすべての部分が光を主役とするべく、みんなでひとつの方向に向かっていく作り方。そのようなつくりかたでできた空間はストレートに心に響いてきてとても感動的なのですが、(超ナマイキ言いますが)どこかあたりまえのキレイさであるようにも感じます。
実際に行ってみてみるとわかりますが、ヴォクセンニスカの教会の窓の形や配置は、光の美しさだけで決められていないのです。
アンサンブルの例えに戻りますが、この教会の場合、演奏者たちは何かひとつのものを主役にすることには、はなから同意などしてはいない。中の明るさや教会としての利便性はもちろん、外からの見た目も大事、声がよく届くような音響も大切。そして礼拝堂以外の部屋も必要、さらにそこに、アアルトの「こういう空間を作りたい」というイメージというか、感性というか言葉にしにくいものも入ってくる。
全員が譲れない部分をもち、せめぎあいながら、どれも捨てることなく全て抱え込んだまま立ち上がっている。そんな建物のような気がしました。そういうものの作り方、そうやってできあがった建物も、他にはない魅力を持つものだと思います。
そしてそこに開けられる、形も深さも様々な窓達。その窓達から落ちてくる、様々な光。
この教会には、この教会に行かないと会えない、独特の光がありました。
そしてそれはとても美しいですが、その美しさはレイヴィスカの教会とは全く違う種類のものだと思いました。
以前、建築を音楽のアンサンブルに例えてみましたが、レイヴィスカの教会は太陽の光を主役にすることに心のどこかで全員が同意している。バイオリンコンチェルトのオーケストラとソリストみたいな関係ですね。
↑レイヴィスカの教会。建築のすべての部分が光を主役とするべく、みんなでひとつの方向に向かっていく作り方。そのようなつくりかたでできた空間はストレートに心に響いてきてとても感動的なのですが、(超ナマイキ言いますが)どこかあたりまえのキレイさであるようにも感じます。
実際に行ってみてみるとわかりますが、ヴォクセンニスカの教会の窓の形や配置は、光の美しさだけで決められていないのです。
アンサンブルの例えに戻りますが、この教会の場合、演奏者たちは何かひとつのものを主役にすることには、はなから同意などしてはいない。中の明るさや教会としての利便性はもちろん、外からの見た目も大事、声がよく届くような音響も大切。そして礼拝堂以外の部屋も必要、さらにそこに、アアルトの「こういう空間を作りたい」というイメージというか、感性というか言葉にしにくいものも入ってくる。
全員が譲れない部分をもち、せめぎあいながら、どれも捨てることなく全て抱え込んだまま立ち上がっている。そんな建物のような気がしました。そういうものの作り方、そうやってできあがった建物も、他にはない魅力を持つものだと思います。
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